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[2017-02-21]感謝でしかない 【千両荘】



 「感謝でしかない」



  この言葉は最近亡くなられたある入所者様ご家族からいただいた言葉です。


 私たちにはもったいない言葉だと思うし、


 日本語的にも間違っているのかもしれません。


 しかし、この言葉を何度も何度も言われたのでそのまま表現させてもらいます。



 ◆出会い

 入所されていた期間は約1年6ヶ月ですが、



 その前から千両荘ショートステイを利用されていました。



 このショートステイ利用時がとても印象的でした。



 ご自宅の玄関間口がけっこう狭く、車椅子が入らないのです。



 玄関までに段差もあって、そういった理由で他ショートステイの利用を



 断られたこともあったようです。



 そんな中、千両荘に相談がありました。


 私の尊敬する上司は「断らない」が信条であるので・・・



 当然、千両荘ショートステイを利用することになりました。



 
 そして、どうやってお迎えに行こうかという話になり、



 結論としてベッドから抱っこさせてもらい、玄関を通って、階段を下りて



 道路脇に置いてある車いすに座っていただくという方法をとりました。




 抱っこの方法は一般的に「お姫様抱っこ」と呼ばれている形です。



  
 もっと他に良い方法があったのかもしれません。



 近所の方から見たら異様な光景だったのかもしれません。



 でも私たちはこの方法で送迎をさせていただきました。


 
 幸い、体重の軽い方であり、上司と私で主に対応して



 二人とも腰痛にならずに送迎できました。


 

  最初は男性が介助することに抵抗を感じていました。


 でもそれは普通の感覚だと思います。


 だって孫ぐらいの年齢の異性に抱っこされて道に出て、


 近所の方にも遭遇する可能性もあるんです。


 それは恥ずかしですよね。



 でも私たちは迎えにいきました。次第に


 「もう来なくていいよ」から「次はいつ来るの?」


 に変わってきました。


 車内の会話も増えていきました。


 ご自宅ではベッド上での生活がほとんどなので、


 「あと何分で着くの?」


 という会話を3分置きぐらいにしていたのを今でも懐かしく思い出します。



 そして、入所後には男性にもすっかり慣れたためか?


 お気に入りのイケメン男性介護士を見つけて


 「この人彼氏!!」


 という発言があったり、職員を驚かせてくれました。




 あと、食事が少し変わっていて、普通のお食事はあまり食べませんでした。


 本人様の言葉を借りれば


 「甘いお茶がほしい」と言ってそれをよく飲んでいました。


 ※甘いお茶とは?⇒某メーカー総合栄養剤「ラコー○」です。


 ご家族が持ってくるお菓子やパン、そしてこの栄養剤を主に食べられていました。




 そんな素敵な女性で最後まで柔和な笑顔が印象的でした。




 
 亡くなって、お見送り際にいつも私が心の中で唱えてる言葉があります。



 出会ってくれてありがとうございました。


 長い人生のほんの僅かな期間でしたが、関わることができ感謝します。





 また何度か、ご家族様と会う機会があると思います。



 その時は必ずこう言おうと思っています。




 わたしたちこそ「感謝でしかない」です。


 彼氏ではない方のイケメン?介護士とお話しをしている本人様です。

 
そして、この話をブログにアップして良いですが?という私の問いかけに


 「是非、皆さんに知ってほしいので、どんどん使って下さい」


 と快く承諾していただいたご家族様にも


 「感謝でしかない」と思っている服部です。





 








 
 


 



  





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